2019年2月28日木曜日


             3月の旬

             葉ゴボウ
          薬剤師 橋本紀代子

 葉ゴボウは、根も葉も茎(葉柄)も食べられます。葉から根の先まで全長80㎝ほど。普通、ゴボウと呼んでいる根はごく短く、長い茎が特徴で、シャキシャキした歯ごたえがあります。「越前白茎ゴボウ」や「八尾若ゴボウ」などの品種が栽培されています。
 葉ゴボウは、平安時代にシベリアから伝わったといわれます。「越前白茎ゴボウ」は福井県の伝統野菜で、おもに坂井市で栽培され、「八尾若ゴボウ」は大阪府八尾市の特産品です。ハウス物は1月下旬から、路地物は34月に出荷されます。
 食物繊維、鉄分、カルシウムが豊富です。「フラボノイド」の一種の「ルチン」は、毛細血管を強化し、血栓を防ぎます。アクは、クロロゲン酸などのポリフェノールで、発がんを抑え、肝臓や胃にも良いとされます。
おいしい食べ方と保存方法
 漢方では、糖尿病やおできなどに効能があるとされています。
 苦味があるので、アク抜きをします。根はたわしでよくこすってから切り、水に20分ほどさらします。茎も切ったあと水にさらします。葉は苦味がとくに強いので、熱湯で30秒ほどゆでてから冷水にとり、30分ほどさらします。
 炒め煮は根を油で炒め、だし汁を入れて軟らかくなるまで煮てから茎と油揚げを入れ、酒、みりん、しょうゆで味付けし、水分がなくなるまで煮ます。きんぴら、中華風の炒めもの、バターでソテー、パスタの具にも。下ゆでした茎は、みそ汁やすまし汁の具にも合います。葉は細かく刻み、つくだ煮に。かき揚げにするときは、茎や根の下ゆでは不要です。
 保存は、根と茎と葉を切り分け、湿らせた新聞紙などにくるみ、袋に入れて冷蔵庫の野菜室で2~3日。下ゆで後、冷凍保存も可。
【「食べもの通信」3月号より転載】