2020年6月2日火曜日


                 6月の旬
        ブルーベリー
                  薬剤師 橋本紀代子
 果実が青紫色なので「ブルーベリー」。色の美しさから「森のサファイア」ともよばれます。味は甘酸っぱく、表面にブルームとよばれる白い粉が吹いています。直径2㎝ほどになる果実も。1997年に「目に良い」と大ブームになり、現在も健康食材として人気です。
 旬は68月。寒冷地や高冷地向きの品種、暖地向きの品種、野生種などさまざまな品種があります。原産地はアメリカで、日本に導入されたのは51年。68年から農産物としての栽培が始まった東京都小平市が、「ブルーベリー栽培発祥の地」です。長野県、東京都、茨城県、群馬県が生産量を競っていますが、消費される量の半分以上はメキシコ、アメリカ、チリなどからの輸入品です。
 注目される成分は「フラボノイド」の「アントシアニン」という色素。目の疲労を和らげ、視力の低下を予防するといわれています。体内の活性酸素を減らし、老化や動脈硬化を防ぐビタミンEも豊富です。亜鉛やマンガンなどのミネラルを含み、皮には便秘を防ぐ食物繊維が多く含まれています。

おいしい食べ方と保存方法
 生の果実はへた状のものをとり除き、洗ってから食べます。白い粉は完熟の目安で、そのまま食べられます。
 アントシアニンは熱に強いので、ジャムにするのがおすすめ。洗ったブルーベリー100gとグラニュー糖2550gを鍋に入れ、実を潰しながら弱火で5分ほど加熱し、小さじ1杯のレモン汁を加え、1分加熱したら出来上がりです。ジャムを水で溶かし、粉寒天を入れて加熱し、沸騰直前に弱火で2分かき混ぜ、型に流して冷やせばゼリーに。
 保存は果実をポリ袋や容器に入れて、冷蔵庫で23日です。長期保存する場合は、乾燥または冷凍にします。冷凍したものはジャムやスムージーに。
【「食べもの通信」6月号より転載】