6月の旬 ラッキョウ
薬剤師 橋本紀代子
東京革新懇ニュース今号より、家庭栄養研究会編集の『食べもの通信』より「旬の食べもの」について転載し紹介することとしました。今回は『食べもの通信』6月号より「ラッキョウ」です。
ラッキョウは鱗茎(りんけい・養分を蓄えた葉が茎の周りに重なりあってできたもの)を食用にします。とくに、3年掘りのラッキョウは人気で、小粒でシャキシャキ感があり、風味もまろやかです。
原産地は中国で、紀元前から薬用・食用にされてきました。日本には9世紀頃(平安時代)薬用として伝わり、食用になったのは江戸時代からです。
全国の生産量の75%を、宮崎県、鳥取県、鹿児島県が占めます。収穫は6~7月頃です。
ネギ、ニンニク、ノビル、ニラとともに「五辛」と呼ばれ、においや辛味のもとはアリシンです。免疫力アップ、発がん抑制、血液をサラサラにするなどの働きのほか、ビタミンB1の吸収を助け、疲労回復に役立つので、B1が多い豚肉などと一緒に食べるのがおすすめです。
また、食物繊維が多く、血糖値や血中コレステロール値の上昇を抑え、便通を改善します。
漢方では薤白(がいはく)と呼ばれ、体を温めて気血の巡りを良くし、胸や胃のあたりの不快感を緩和するとされています。
おいしい食べ方
ラッキョウといえば甘酢漬け。カレーライスのお供として欠かせない存在になりました。
ほかにも、生のまま千切りして塩をまぶすと、冷ややっこやカツオのたたきなどの薬味になります。塩漬けやしょうゆ漬けも作っておくと便利です。
酢みそあえは、生のラッキョウを厚めにスライスし、みそ、酢、砂糖、削り節であえます。天ぷらにすると、甘みとホクホク感があります。
生のラッキョウはすぐ芽が伸びるので、早めに食べましょう。