6月の旬
プラム
薬剤師 橋本紀代子
日本スモモは弥生時代には存在していました。酸っぱいのでスモモ(酸桃)。1870年にアメリカに渡った日本スモモの「甲州大巴旦杏」が多品種に改良され、それがプラムとして逆輸入されてきて評価が高まり、日本での改良も進みました。
プラムは丸くて、甘酸っぱく、果汁が豊富です。
日本で一番栽培量が多いのは「大石早生」。アメリカからの品種を、日本で改良して作られました。「ソルダム」はアメリカから導入された品種。果皮の色は緑~赤で、果肉は濃い赤です。「太陽」「貴陽」はモモのように大きい品種です。
収穫時期は品種で異なり、6月から秋まで。収穫量が多いのは山梨県、長野県などです。
栄養も酸味も、皮に多く含まれています。ポリフェノールの「アントシアニン」には抗酸化作用があります。酸味はリンゴ酸、クエン酸などの有機酸で、疲労回復効果があります。
整腸作用があるのは、便秘を予防する食物繊維のペクチンが多いため。利尿作用があり、高血圧に良いカリウムも。鉄分やビタミンB群、葉酸、ビタミンCなども含まれ、貧血予防に役立ちます。
おいしい食べ方と保存法
パンケーキのトッピングや、細かく切ってパンの生地に練り込むのもおすすめです。皮が気になる場合は湯むきを。
コンポートは25%の砂糖水で10分煮て、冷ますだけです。ジャムはプラムの重さの25~50%の砂糖を加え、あくをとりながら煮詰め、穴あきのお玉を使って種を取り除きます。好みでレモン汁を加えても。
プラムジャム、おろしニンニク、しょうゆを混ぜて、ひと口大にした鶏肉を1時間漬け込み、フライパンに油をひいて焼くと、メインディッシュになります。
保存はキッチンペーパーなどにくるみ、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れます。
【「食べもの通信」6月号より転載】