6月の旬
ピーチパイン
薬剤師 橋本紀代子
パイナップルの一品種で、サイズはパイナップルより小さめです。沖縄県が1999年に「ソフトタッチ」という名で品種登録しました。モモのような香りから「ピーチパイン」とよばれ、「ミルクパイン」の別名もあります。沖縄県の石垣島を中心に栽培され、5~7月が旬です。
果汁が豊富で、熟すと酸味が減り、甘味が強くなります。バナナのように追熟(収穫後、一定期間置くと甘さが増し、果肉がやわらかくなる処理)ができます。
果皮の色が赤くなってきたら食べごろです。芯は比較的やわらかく、甘味もあるので、小さめにカットすると食べられます。
摂取した糖質がエネルギーに変わるのを助けるビタミンB1、疲労回復に効くクエン酸、抗酸化作用があるビタミンC、骨や関節を丈夫にするミネラル「マンガン」も含みます。
たんぱく質分解酵素「ブロメライン」を含むので、果汁に肉を浸けると肉がやわらかくなります。また、ピーチパインを肉や魚と一緒に食べると、たんぱく質の消化を助けます。
根元の部分は甘味が濃いので切り過ぎないようにし、皮もできるだけ薄くむきます。
ジューサーで果汁にして刻んだピーチパインを混ぜ、冷凍庫に入れるとシャーベットに。
サイコロ大に切ったピーチパインとつぶした肉じゃがをパイシートに詰めてオーブンで焼くと、リメイクパイになります。
ピーチパインを酢豚や八宝菜に入れる場合は、熱で酵素が壊れないように、火を止める直前に混ぜます。
保存するときに葉を切り落として逆さに立てておくと、甘味が均一になります。熟しているものはポリ袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室に。冷凍保存は、ひと口大に切ってからラップを敷いたトレーに並べて凍らせ、凍ったら保存袋に入れて冷凍します。
【「食べもの通信」6号より転載】