2016年10月3日月曜日

    10月の旬
    スイゼンジナ
             薬剤師 橋本紀代子
  
の表は緑色、裏はドキッとするような鮮やかな紫色です。葉は肉厚で、ゆでるとぬめりが出ます。夏の暑さに強い熱帯アジア原産です。旬は7~10月頃。
 18世紀に、中国経由で日本に伝わりました。当時は食用ではなく、茶花(茶室の床に生ける花)でした。
 熊本市の水前寺付近で栽培が始まったので、スイゼンジナと呼ばれます。金沢方面ではキンジソウ、沖縄方面ではハンダマ、愛知県ではシキブソウと呼ばれています。
 緑黄色野菜で、β-カロテンを多く含みます。β-カロテンは体内で、ビタミンAに変化し、皮膚や粘膜を保護します。ビタミンC、鉄、カルシウム、マグネシウムなど貧血予防の効果がある栄養素も豊富です。
 葉の紫色はポリフェノールの一種アントシアニンで、動脈硬化の予防、アンチエイジングに効果があります。γ-アミノ酪酸(GABA(ギャバ))は、血中コレステロールを低下させ、ぬめりのもとであるムチンは、血糖値の上昇を抑えます。
 民間療法では、産後の目の働きの改善、肌への効果がうたわれています。
調理のコツと保存法
 葉の色を楽しむなら、生のままサラダに。たっぷりのゴマドレッシングでいただきます。
 ゆでるときは2%の塩を入れたお湯で、軟らかい葉と先端の芽を30秒ほど煮て、氷水にさらします。おひたしやポン酢あえにし、ゴマや削り節をのせても。天ぷらにするときは、葉の片面に衣を付けて揚げます。
 乾燥に弱いので湿らせた新聞紙などにくるみ、ポリ袋に入れて冷蔵庫に保存します。



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