11月の旬 チンゲンサイ
薬剤師 橋本紀代子
スプーン型で肉厚なチンゲンサイは、アクが少なく、緑色が美しいのが特徴で、中国野菜のなかではもっとも親しまれています。本来の旬は秋から冬にかけてですが、ハウス栽培などで通年供給され、価格も安定しています。
また、チンゲンサイの菜花は味がよいと評判で、2~3月に出回ります。
チンゲンサイはキャベツ、コマツナ、ノザワナ、ハクサイなどの仲間で、原産地は中国の中~南部です。
日本に入ってきたのは1972年の日中国交回復後で、83年に中国名「青梗菜」からチンゲンサイと呼ばれるようになりました。現在のおもな産地は茨城、群馬、静岡の各県などです。
カロテン、ビタミンC、Eなどが豊富で、がんや生活習慣病の予防効果が期待されています。カルシウムや鉄などのミネラル類も豊富です。血栓を防ぎ、抗菌作用があるアリルイソチオシアネートを含みます。
漢方では、血の巡りを良くする、心を落ち着かせる、便通を整えるなどの働きがあるとされます。
調理のコツと保存法
ゆでるときは、外葉と内葉、葉と茎を手でちぎって分けます。熱湯に2%の塩を入れ、油を数滴たらします。硬めの茎を20秒ゆで、その後葉を入れてさらに30秒ほど加熱し、冷水に取ります。軽くしぼって、ユズコショウ入りのポン酢やだししょうゆでいただきます。
魚介類、肉類、シイタケとの相性がよく、中華料理やシチューにも合います。新聞紙などで包み、ポリ袋に入れて立てて冷蔵すれば、3~4日保存できます。