2018年2月28日水曜日

3月の旬 葉タマネギ
         薬剤師 橋本紀代子


タマネギの玉がふくらみかけたころ、葉つきのまま収穫したのが葉タマネギです。辛みも香りも穏やかで、青ネギとタマネギのおいしさが同時に味わえます。東日本大震災のとき、私は葉タマネギで肉ジャガを作り、炊き出ししました。
 旬は23月ですが、収穫できるのはわずか2週間ほど。出荷量が最も多いのは千葉県です。
 タマネギの原産地は中央アジアあたりといわれています。栽培の歴史は古く、紀元前15世紀にはエジプトなどで食用にされていました。日本には江戸時代に入ってきましたが普及せず、本格的な栽培は明治以降です。
 葉には体内でビタミンAに変換されるβ-カロテン、ビタミンKも多く含まれます。
 玉の部分にはニンニクや長ネギなどと同じアリシンなどの硫化アリルが含まれており、においのもとになっています。アリシンはビタミンB1と結びついてB1の吸収を助け、疲労回復に役立ちます。
 玉をすりおろし、みそ、ショウガのしぼり汁を加え、熱湯をそそいで飲むと、精油成分が発汗・解熱を助けます。
おいしい食べ方と保存法
 葉タマネギの玉はスライスし、葉は刻んで削り節などとあえ、ポン酢、またはポン酢しょうゆで食べます。
 玉を丸ごとオーブンなどで素焼きし、マヨネーズやみそをつけて食べると、甘みが口いっぱいに広がります。サッと炒めて、焼き肉のたれで味をつけても。
 スープ、お好み焼き、チャーハンにも合います。保存は玉の上のほうを切り、玉と葉に分け、別々にポリ袋などに入れて冷蔵します。葉の部分は早めにいただきます。

【「食べもの通信」3月号より転載】

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