2020年4月23日木曜日

                5月の旬
              アムスメロン
    
              薬剤師 橋本紀代子 
 メロンは野菜か果物か? メロンは「木にならない」ので、学問的には野菜に位置付けられます。しかしデザートになることから、市場では押しも押されもしない果物です。
 アムスメロンは1974年に、日本の研究所が交配によって作った「ネット系」メロン。花粉側の親の故郷がオランダ系なので、首都アムステルダムにちなんで命名されました。東北から九州地方まで広域で栽培され、「銚子メロン」「砂丘メロン」などブランド化されています。
 形は楕円形。皮には粗い網目があり、網目のない部分にはスイカのように濃い緑色のラインが入っています。果肉は淡い緑色で甘味があり、香りも良く、多汁で、皮の近くまで食べられるのが特徴で、人気の品種です。旬は57月。
 カリウムがバナナ以上に多く、ナトリウムを排せつするので利尿作用があり、高血圧に良いとされます。食べたときに感じるイガイガは、「ククミシン」というたんぱく質分解酵素です。
 漢方では、体に熱をもち、口の渇きを訴えるタイプの人に合う食材とされています。

おいしい食べ方と保存方法
 収穫後、日光を避けて常温で57日追熟させます。完熟の見分け方は芳醇な香りがすることや、お尻を優しく押して弾力が感じられること。冷蔵庫で2時間ほど冷やして食べます。
 メロンを半分に切り、種を除き、スプーンでくりぬいた果肉に大さじ1杯の砂糖をまぶし、皮の器に戻して冷凍すれば、シャーベットになります。溶かした寒天に好みの砂糖を加え、サイコロ状に切ったメロンを入れた器に注いで冷蔵庫で固めれば、ゼリーに。ピューレ、ムースなどにしても。
 冷凍保存する場合は完熟の果肉を一口大に切り、ラップをして冷凍します。完全に凍ったら保存袋に入れ、再び冷凍庫へ。
【「食べもの通信」5月号より転載】