2020年10月30日金曜日

11月の旬 スリムレッド

                11月の旬 

              スリムレッド

    
             薬剤師 橋本紀代子 

 秋から冬にかけて、さまざまな品種のリンゴが楽しめます。スリムレッドは皮の色が赤く、縦にしまが入り、重さは150180gとかわいらしいサイズのリンゴです。カリッとした歯ごたえで、甘味も酸味もあり、香りもよく、果汁が豊富です。

 群馬県の試験場で「ふじ」と「あかぎ」を交配させて誕生し、1995年に品種登録されました。群馬県が発祥の地で、長野県など各地で栽培されています。産直や「道の駅」などで販売されることが多く、市場に出る量はまだまだ少ないため、希少価値があります。10月下旬から11月上旬に収穫され、貯蔵庫などで熟成後、出荷されます。

 リンゴの食物繊維は腸内環境を整える「天然の整腸剤」で、コレステロールを下げる働きもあります。カリウムは体内の過剰なナトリウムを体外に排せつするので、血圧が高めの方におすすめです。

 リンゴ酸やクエン酸などの有機酸には、疲労回復の効果があります。ポリフェノールの種類も多く、抗酸化作用、免疫力向上、アレルギーの改善、美白、視力改善などの働きがあります。

 漢方では口の渇きを癒し、頭痛やのぼせを鎮める働きがあるとされています。

おいしい食べ方と保存方法

 スリムレッドは丸かじり、または横に厚さ1㎝ほどにカットすれば食べやすく、皮も芯も残さずにいただけます。

 焼きリンゴは芯をスプーンでくり抜き(底を残す)、レーズン、バター、シナモンパウダーを詰めて、200度のオーブンで20分焼きます。シロップ漬けやジャムにしても。ホットケーキは生地を焼くときにスライスしたスリムレッドを上に並べて一緒に焼き、シナモンパウダーをかけていただくと美味です。

 保存はポリ袋に入れて、010度の冷蔵庫に入れます。

                    【「食べもの通信」11月号より転載】