9月の旬
ナツメ
リンゴのような形で、重さは5gほど。中国には30g超の大きな実をつける種類もあります。かじるとリンゴに似た食感で、甘酸っぱい味がします。
「ナツメ」とよばれるのは、夏に木の芽が出るから。抹茶を入れる茶道具「ナツメ」は、ナツメの果実と形が似ていることから名付けられました。
中国には「1日3個食べると老化しない」という言い伝えがあり、路地やスーパーなどで山積みにして販売されています。
日本には奈良時代に入ってきたといわれています。生産量が多いのは福井県で、旬は9~10月。干しナツメは中国などから大量に輸入されています。
生のナツメは、肌の健康に良いビタミンCを多く含有。干しナツメに多いパントテン酸はストレスへの抵抗力を高め、心身の疲れに有効です。カリウム、マグネシウム、リン、貧血予防に効果的な鉄、食物繊維などが多いのも干しナツメです。
漢方では乾燥させた果実を大棗(たいそう)といい、葛根湯など多くの処方に配合されます。際立つのは精神安定作用で、不安やイライラに効果があるとされています。体を温め、元気が出るなどの働きもあります。
おいしい食べ方と保存法
熟した果実を水で洗い、皮ごとかじって食べます(種は出す)。
レモン煮は、鍋に生の果実500g、水1ℓ、てんさい糖200gを入れてふたをし、弱火で30分コトコト煮ます。レモン1個分の果汁を加えてさらに10分煮るとできあがりです。
干しナツメはそのままお茶受けに。中国では種を除き、クルミを挟んだお菓子が有名で、自然な甘さが魅力です。刻んだ干しナツメ5~10gをお茶パックに入れ、1ℓの熱湯を注いで15分置くと「ナツメ茶」になります。
生の果実はポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。なるべく早めに食べましょう。
【「食べもの通信」9号より転載】
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