これが育鵬社版教科書だ
今年8月までに中学校の社会科の教科書が採択されます。自民党や日本会議は、育鵬社教科書の採択をめざし動きを強めています。現在使われている育鵬社の教科書を見てみましょう。
育鵬社版『新しい日本の歴史』
【日中戦争】「1937年、日本軍は何者かに銃撃を加えられ、中国側と撃ち合いとなりました。」「日本軍将校殺害をきっかけに上海にも戦闘が拡大されました。」「12月に南京を占領しましたが・・・」
【太平洋戦争】「(アメリカが)強硬案(ハル・ノート)を日本に提示しました。東条英機内閣は、これをアメリカ側の最後通告と受け止め、交渉を断念し、開戦を決断しました。」「日本は米英に宣戦布告し、この戦争を『自存自衛』の戦争と宣言したうえで、大東亜戦争と名付けました」
【日本軍の進出】「わが国の勝利は、東南アジアやインドの人々に独立への希望を与えました。」「1943年、東京で大東亜会議を開きました。・・・欧米による植民地支配からアジアの国々を解放し、大東亜共栄圏を建設することが、戦争の表向きの目的として、より明確に掲げられるようになりました。」
育鵬社版『新しいみんなの公民』
【大日本帝国憲法と日本国憲法】(帝国憲法発布の絵と「五箇条のご誓文」を掲げ)「アジアで初めての本格的憲法として高く評価されました。」(日本国憲法)「GHQは、自ら1週間で憲法草案を作成したのち、日本政府に受け入れるようきびしく迫りました。日本政府は英語で書かれたこの憲法草案を翻訳・修正し、改正案として帝国議会に提出しました。」※英文憲法草案だけ。
【国民主権と天皇】天皇に国民主権の倍のスペース。「天皇は、・・・日本国を代表し、古くから続く日本の伝統的な姿を体現したり、国民の統合を強めたりする存在となっています。」
【平和主義】「主権国家には国際法上、自衛権があるとされ、世界各国は相応の防衛力を持っています。日本政府も・・・防衛態勢の整備や強化など、現実的な対応をしてきました。自衛隊は日本の防衛には不可欠であり、・・・国民から大きく期待されています。」注釈で「集団的自衛権を『行使することができる』と解釈を変えるべきだという主張もあります。」
【憲法改正】見開き2ページ(1時間扱い)は異例。「憲法は前文と第9条で、戦争の放棄を定めており、現在でも政府は集団的自衛権の行使はできないと解釈しています。そのため、・・・他国軍が攻撃された場合でも、日本の自衛隊は相手に反撃することができないとの指摘があります。憲法改正の手続きは、このように憲法を現実に対応したものにしたり、条文の表現を改めたりするために定められています。」
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