12月の旬 ロマネスコ
薬剤師 橋本紀代子
ロマネスコはカリフラワーの一品種で、イタリアのローマで栽培されていたことからこの名前が付けられました。
一つひとつの房がらせん状に並んでいるだけでなく、中の小さな房も、その中の房も、みんならせん状になっていて、「世界一美しい野菜」といわれています。「うずまき」や「さんごしょう」の別名も。黄緑色で、食用にするのは花蕾(つぼみ)と花梗(花を支える茎)。
カリフラワーの原産地は地中海沿岸。キャベツの原種から改良されました。ロマネスコは16世紀にはすでに、ヨーロッパで栽培されていたようです。
日本では宮城県、福岡県など全国各地で栽培されていますが、まだまだ出荷量は多くありません。旬は11~2月です。
ビタミンCが多く、加熱しても壊れにくいのが特長です。疲労回復に働くビタミンB1、皮膚や粘膜によいB2、鉄分、食物繊維を多く含みます。
ロマネスコに含まれるファイトケミカル「イソチオシアネート」には発がんを抑え、解毒するなどの働きがあります。
ロマネスコ、カリフラワー、ブロッコリーは、外国では生で食卓にのぼることも多く、ちょっと驚きです。
ゆでるときは小房に分け、沸騰したお湯にひとつまみの塩を入れて2分ほど加熱し、ザルに広げて冷まします。
さまざまな温野菜といっしょに、バーニャカウダソースやポン酢でいただきます。ピクルス、天ぷら、シチューなど、煮物や炒めものにも合います。
保存するときは硬めにゆでてから冷蔵、冷凍します。
【「食べもの通信」12月号より転載】
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