3月の旬 根ミツバ
薬剤師 橋本紀代子
鮮やかな緑、爽やかな香り、シャキッとした食感が特徴のミツバ。葉が三枚の小葉になっていることから、「三つ葉」と呼ばれます。根ミツバは軟白栽培(日光が当たらないよう土を寄せて栽培する)で、根つきのまま出荷されます。
旬は3~4月。葉や茎を食べたあとの根は、土に植えると数日で新しい芽が伸びてきます。切りミツバ(白ミツバ)は冬に、糸ミツバ(青ミツバ)は1年中出荷されます。
ミツバはもともと中国、朝鮮、日本などに分布する野草で、江戸時代に栽培が始まりました。現在のミツバの主な産地は千葉県、愛知県、茨城県です。
香りのもとは精油。精油には、神経の興奮を鎮め、気分を爽快にする、胃腸の働きを活発にするなどの効能があります。カリウムによる利尿作用があり、ストレスが原因で血圧が高めの方にもおすすめです。
β-カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄分なども含まれています。漢方では気血の巡りを良くし、咳や痰に効果があるとされています。
風邪の初期には、すまし汁にすりおろしたショウガと刻んだミツバを入れると発汗、解熱の効果があります。
おいしい食べ方と保存法
お吸いもの、五目ごはんの具、おひたしに。鶏卵や鶏肉との相性がいいので、親子丼にはたっぷりのせたいですね。
根はよく洗ってきんぴらにしたり、牛肉と炒めたり、鍋料理にも重宝でゴボウのように食べられます。
保存はキッチンペーパーなどに包んでポリ袋に入れて、冷蔵庫で1~2日もちます。
【「食べもの通信」3月号より転載】
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