4月の旬 コウサイタイ
薬剤師 橋本紀代子
コウサイタイ(紅菜苔)は、ナバナの一品種です。葉柄や葉脈が赤紫色で、別名はベニナバナ(紅菜花)です。寒さに当たると、茎の色がさらに鮮やかになります。つぼみ、葉、茎を食用にします。独特の甘み、ぬめりがあり、苦味が少ないのが特長です。
原産地は中国湖南省・湖北省辺りで、日本での栽培は1970年代からです。
コウサイタイの赤紫色の色素は、ポリフェノールの一種「アントシアニン」で、抗酸化作用があり、がん予防に役立ちます。
コウサイタイなどのナバナ類には鉄分、葉酸、ビタミンCなど、貧血に良い成分が多く含まれます。貧血の症状には、肩こり、疲れやすさ、息切れなどがあり、4~6人に1人が貧血といわれる女性におすすめしたい野菜です。カルシウムは100g中160・も含まれ、これは成人の1日の摂取目標の1/4に当たります。このほか、β-カロテン、食物繊維が多いのも特長です。
おいしい食べ方と保存法
沸騰したお湯に2%の塩を入れ、酢を少し垂らします。茎は1分、軟らかい部分は20秒ほどゆでて、冷水にさらします。酢を入れないと、せっかくの赤紫色がゆで汁の中に出てしまいます。
ゆでたコウサイタイはおひたし、カラシあえ、卵とじ、卵焼き、グラタン、パスタの具などにします。
油で炒め、塩コショウで味を調えるだけでもおいしいです。炒めたり、揚げたりするときは、下ゆでは不要です。
保存は湿らせた新聞紙にくるんでポリ袋に入れ、冷蔵庫で2、3日です。硬めにゆでて冷凍し、自然解凍してもオーケーです。
【「食べもの通信」4月号より転載】
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