2019年8月5日月曜日


                              8月の旬
                       そうめんカボチャ
                        薬剤師 橋本紀代子
 黄色い果肉が糸のようにほぐれ、そうめんのように見えることから名付けられました。和名は「キンシウリ(金糸瓜)」。「ナマスウリ」「糸カボチャ」の別名もあります。シャキシャキした食感が特徴です。ズッキーニと同じペポカボチャに分類されます。
 ペポカボチャの原産地は北アメリカ。ポルトガルを経て、全世界に広がりました。そうめんカボチャは19世紀終わりごろ、中国を経由して石川県に伝わりました。現在は「金糸瓜」の名称で、地元のJAなどが認定する「能登伝統野菜」の一つです。中国地方から東北まで各地で栽培されていますが、生産量はあまり多くなく、直売所などで販売されています。旬は79月です。
 低カロリーで、ダイエット食材として注目されています。β-カロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウム、食物繊維を含みますが、含有量は多くはありません。
 漢方では、体にこもった熱を冷ます働きがあり、夏を乗り切るのによい食材とされています。
おいしい食べ方と保存方法
 ゆで方は両端を切り落とし、4等分ほどの輪切りにして、スプーンで種とワタをとり除き、沸騰した熱湯(塩は入れない)に入れてふたをし、1520分ほど煮ます。水にさらしながら手で果肉をほぐし、ザルに上げて水を切ります。
 三杯酢など酢のものでいただきます。そうめんのようにめんつゆで食べても。欧米ではパスタのようにソースを絡めていただきます。また洋風だしや和風だしで炒め煮のようにしても美味です。キッシュやケーキに使用しても。砂糖で煮詰めればジャムになります。
 丸ごとなら風通しのいい冷暗所で数カ月保存ができ、寝かせると繊維がほぐれやすくなります。ほぐしたものは冷凍保存できます。
【「食べもの通信」8月号より転載】


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