4月の旬
イチゴ
橋本紀代子 薬剤師
イチゴの旬はいつでしょう? 年末から5月ごろまで、さまざまな品種が店頭に並びますが、本来の旬は4~5月です。
「あまおう」「紅ほっぺ」「とちおとめ」「さちのか」「さがほのか」など多くの品種があり、各県が品種改良を競い合っています。食べるのは花托が肥大した部分で、偽果とよばれます。表面のツブツブが果実で、果実の中に種子があります。
イチゴは江戸時代末期にオランダ経由で伝わりましたが、本格的な栽培は明治になってからです。生産量が多いのは栃木、福岡などで、熊本、静岡、長崎、愛知などの各県が続きます。
イチゴはビタミンCの宝庫です。ビタミンCは免疫力を高め、ウイルスから体を守ります。肌を美しく整え、風邪の予防、動脈硬化にも有効です。貧血を予防する葉酸、疲労回復に役立つクエン酸も含まれています。
食物繊維のペクチンは便通を整えます。「フラボノイド」の「アントシアニン」という色素は、発がんを抑えます。カリウムが多く、高血圧にも効果があります。
おいしい食べ方と保存方法
生で食べるのが一番なので、できるだけ農薬や消毒薬などを使用していないものを選びましょう。水で洗うとビタミンCが流れ、傷みやすくなるので、食べる直前にへたを付けたまま洗います。
先端ほど甘味が強いので、より甘味を楽しむには、酸味の多いへたのほうから食べるのがおすすめです。小粒のイチゴは砂糖で煮てからレモン汁を加えてイチゴソースを作り、パンケーキなどにのせていただきます。
日持ちしないので、なるべく早く食べましょう。冷凍するときは、砂糖をまぶしておきましょう。半解凍でつぶしてイチゴミルクにしたり、スムージーやジャムにしていただきます。 【「食べもの通信」4月号より転載】
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