4月の旬
スナップエンドウ
薬剤師 橋本紀代子
スナップエンドウはエンドウの品種の一つで、アメリカで開発されました。旬は4~5月。サヤと豆を食べ、シャキッとした食感と甘味が特徴です。
「スナップ」は「ポキンと折れる」という意味。「スナックエンドウ」は種苗メーカーが付けた商品名です。軽食という意味で「スナック」のほうがなじみやすいかもしれません。
エンドウの栽培は古代ギリシャ時代からおこなわれ、中国を経由して遣唐使が持ち帰ったといわれています。スナップエンドウが出回り始めた1970年代後半は輸入品がほとんどでしたが、ここ10年余りは国内の生産量が急増しています。鹿児島県が半分以上を占め、熊本、愛知の両県が続きます。
緑黄色野菜で、β-カロテンが豊富です。またビタミンB群、ビタミンC、カリウム、カルシウム、食物繊維、必須アミノ酸のリジンも含まれています。
漢方では、気や血のめぐりを良くする、冷え症に効く、母乳の出を良くするなどの効果があるとされています。
おいしい食べ方と保存法
すじは先端を折って平らなほうからヘタに向かって取り、次にヘタを折って曲線側を取ります。
沸騰したお湯で1分弱ゆでてざるに上げ、うちわであおぎます。素材の味を生かすにはしょうゆを少し垂らすか、塩少々を振って食べるのが一番です。
マヨネーズとの相性が良く、みそとユズコショウも混ぜた調味料なら「おとなの味」が楽しめます。だし汁にしょうゆを加え、煮て、卵とじにしても。
油炒めは溶き卵を油で炒め、半熟状態になったらゆでたスナップエンドウを入れ、塩、コショウ、しょうゆで味付けします。薄く衣を付けて天ぷらにしても。
保存はポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に。硬めにゆでて水気をとり、冷凍もできます。使うさいは凍ったまま加熱調理します。
【「食べもの通信」4月号より転載】
0 件のコメント:
コメントを投稿