2021年8月13日金曜日

                                                8月の旬 

                                              青パパイア                  

                                    薬剤師  橋本紀代子 

 パパイア(パパイヤ)は高さ10mほどの木になる果物です。未熟な青パパイアは野菜として注目されています。青パパイアの果肉は白く、シャキッとした歯ごたえがあります。710月が旬。

 熱帯アメリカの原産で、産地はおもに熱帯の国ぐにです。国内では沖縄、鹿児島など九州の各県のほか、最近は本州でも栽培されています。

 未熟果から出る白い汁にはたんぱく質分解酵素の「パパイン」が多く含まれ、疲労回復、がん予防効果、肉料理の消化を助ける働きなどがあります。肌が弱い方はかぶれることがあるので、触れるときは手袋をするなど注意が必要です。

 カルシウム、鉄分などは成熟果より多く含まれます。便通を改善する効果のある食物繊維もたっぷり含まれています。

 漢方では胃の消化を助け、胃痛や下痢にも効果があるとされています。 

おいしい食べ方と保存法

 下処理は青パパイアを縦半分に切り、種を除いて皮をむき、千切りや薄切りにして15分水にさらし、水気を切ります。

 下処理をした青パパイアにパクチー、ライム、ニンニク、トウガラシ、ツナ缶を合わせ、ナンプラーやドレッシングをかけるとタイ風サラダ「ソムタム」に。ピクルスやきんぴらなどの炒めものにもおすすめです。千切りにして乾燥させると、切り干し大根のように使えます。

 薄切りしたものを塩漬けして水気を切り、みそやしょうゆ味の調味液に漬けた漬物は、沖縄のみやげ品として人気です。肉は生の青パパイアをすりおろして絡めると、軟らかくなります。

 保存は、新聞紙などにくるみ冷暗所で。下処理したものは、ポリ袋などに入れて冷凍できます。サラダや炒めものに使うときは自然解凍を。煮ものや汁ものには、凍ったまま入れます。

【「食べもの通信」8月号より転載】

 

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