9月の旬
巨 峰
橋本紀代子 薬剤師
果皮の白い粉はブルームで、完熟の目安になります。種なしは植物成長調整剤のジベレリンで処理されています。巨峰の生産量が多いのは長野県と山梨県で、旬は8~11月。
ブドウはヨーロッパ、エジプトなどで5000年以上も前から作られ、世界最古の栽培果実といわれています。日本には中国を経由し、平安末期に入ってきました。世界の品種は1万種以上。日本の主なものでも60品種以上あります。ブドウに含まれるブドウ糖や果糖には疲労回復や脳の活発化、集中力を高めるなどの効果があります。酸味は酒石酸やクエン酸などの有機酸で、疲労回復効果があります。
皮の色はポリフェノールのアントシアニンで、目の疲れや視力回復に良いとされています。レスベラトロールもブドウの皮に含まれるポリフェノールで、アレルギーの発症を抑えます。
漢方では足腰の痛みや流産防止に良いとされ、筋肉が丈夫になる果物とされています。
おいしい食べ方と保存法
水に浸かると傷みが早まるので食べる直前にボウルに入れ、房のまま流水で振り洗いします。
皮は軸と反対側にナイフで十字に切り込みを入れるときれいにむけます。フルーツサラダ、ケーキやタルトのトッピング、ゼリー、ジャム、ムースなどに。
冷凍後に水で洗うと、皮はつるんとむけます。そのまま食べればシャーベットに。無農薬の巨峰なら皮はフードプロセッサーでペースト状にして冷凍し、ドレッシングやソースなどに混ぜて用います。保存は房のままキッチンペーパーにくるみ、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に。
【「食べもの通信」9月号より転載】
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