8月の旬
マアジ
薬剤師 橋本紀代子
由来は、「味」が良いからアジ。日本では「アジ」といえばマアジを指し、よく食べられています。
体長は30㎝前後。釣りたては虹色に輝いています。「ぜいご」は尾の付け根から延びている、硬くてギザギザのうろこです。
青魚ですがくせが少なく、味はさっぱりしています。
本来は回遊性ですが、内湾にすみついたものを「瀬付きアジ」といいます。脂ののりが良く、やや黄色みがかっていることから「金アジ」ともよばれます。「ごんあじ」「ときあじ」「関あじ」などはブランド化された名前です。
漁獲量が多いのは長崎県46%、島根県10%(2021年)。
たんぱく質、DHAやEPAなどのオメガ3系の不飽和脂肪酸が豊富です。ビタミンB群、カルシウムなどのミネラル類がバランスよく含まれています。
うま味のもとは、アルギニン、アラニン、グルタミン酸などのアミノ酸類です。
漢方では体を温め、血流を良くする食材とされています。
おいしい食べ方
三枚におろし、腹骨と皮を取り、刺身に。薬味にはショウガ、ワサビ、青ジソ、穂ジソ、ミョウガ、スダチなどをお好みで。
「なめろう」はみじん切りにしたアジ、青ジソ、ショウガにみそ・しょうゆ・ゴマ油などを合わせてたたいたものです。
塩焼きは内臓とぜいごを取り、真ん中に切れ目を入れて塩を振ります。ヒレに塩を付けたあとヒレをアルミホイルでくるみ、グリルでこんがり焼きます。
南蛮漬けは、漬けだれ(酢・しょうゆ・酒・みりんにトウガラシとタマネギの薄切りを入れて5分ほど煮る)に、唐揚げにしたアジを入れます。
骨せんべいは塩を振り、水気を切ってから片栗粉を付けて、160℃で8分、180℃でカラッとするまで二度揚げします。
漬け丼、酢締め、干物、煮もの、フライなどにも向いています。
【「食べもの通信」8月号より転載】