4月の旬
タケノコ
薬剤師 橋本紀代子
タケノコは竹の若芽です。節ごとに生長点がたくさんあるので、時には一日1mという驚くほどのスピードで成長します。
春の香りとうま味がぎっしりと詰まっていて、初物が待ち遠しくなります。
子どものころにタケノコの皮に梅干しを三角に挟んで「梅干しチューチュー」を楽しんだ方も大勢いらっしゃるのでは。
真竹、淡竹、根曲がり竹などのタケノコは古くから食用にされていました。
江戸時代になると、孟宗竹が盛んに栽培されました。
うま味成分にはチロシン、ロイシン、グルタミン酸のほか、疲労回復、スタミナ増強のアミノ酸であるアスパラギン酸も含まれています。ゆでたタケノコの白い結晶は、チロシンです。便通を良くする働きは、食物繊維によるものです。
漢方の薬物書には痰、熱、むくみを除く、二日酔いに良いなどの記載があります。
おいしい食べ方と保存法
タケノコは時間が経つと、「あく」といわれるシュウ酸やホモゲンチジン酸が増えます。
新鮮であくの少ない品種は生のまま刺身でいただきます。
あく抜きには米ぬかや重曹を用います。大根のおろし汁に等量の水、1%の塩を加えた液に切ったタケノコを1時間ほど漬ける方法もあります。
穂先を斜めに切り落とし、縦に切り込みを入れて約1時間ゆで、鍋の中で一晩冷まします。
ゆでタケノコを3㎜厚さにスライスしてカルパッチョに。
若竹煮は、食べやすい大きさに切ったタケノコをだし汁、酒、みりん、薄口しょうゆで煮て、お茶パックに入れたかつお節を加え、さらに煮ます。塩蔵ワカメは水で戻して食べやすい長さに切り、最後に加えて1分煮ます。
ゆでタケノコは20%の塩漬けにすると常温で長く保存できます。味付けタケノコは冷凍も。
【「食べもの通信」4月号より転載】
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