3月の旬
薬剤師 橋本紀代子
アブラナ科アブラナ属の(はなめ)など食用にするものをナバナといいます。
香り、ほろ苦さ、独特の甘味があり、春を楽しむ野菜です。
ハクサイ、コマツナ、チンゲンサイのナバナも食用にできます。
和種ナバナ(在来種)は、茎・(つぼみ)・葉を、洋種はと葉を食用にします。
ナバナは品種改良が進み、あくが少なく、茎の軟らかな多くの新種が出荷されています。
ナバナの生産量が多いのは三重県(27%)、次いで東京都、新潟県の順です(2022年)。花蕾を食用にするものに限れば、千葉県がトップです。
鉄分、ビタミンB2、葉酸、ビタミンCなど、貧血予防のミネラルやビタミンが豊富。女性は月経、妊娠、出産、授乳などで貧血になりやすいので、とくにおすすめしたい野菜です。ビタミンCはゆで過ぎると3分の1に激減するので、注意が必要です。
体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンは、皮膚や粘膜を保護します。カルシウムも多く、食物繊維も含まれています。
スルフォラファンはファイトケミカルの一種です。発がん物質の解毒、抗酸化、殺菌などの効果があります。
おいしい食べ方と保存法
沸騰したお湯に2%の塩を入れ、茎は30~40秒、つぼみなどの先端部分はサッとゆで、冷水にさらします。苦味が少なくなり、食べやすくなります。
お浸しには削り節が合います。辛子あえ、ゴマあえ、ワサビあえ、酢のもの、卵とじ、パスタの具、すまし汁にも。
油で炒め、塩コショウで味を調えるだけでも美味です。炒めたり揚げたりするときは、下ゆでは不要です。
保存は湿らせた新聞紙などに包み、ポリ袋に入れ、冷蔵庫で2~3日。冷凍するときは、硬めにゆでてから平らに並べてポリ袋に。食べる際は自然解凍で。
【「食べもの通信」3月号より転載】
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