2025年5月23日金曜日

3月の旬

             3月の旬

             ナバナ(菜の花)           

               薬剤師 橋本紀代子

 アブラナ科アブラナ属の(はなめ)など食用にするものをナバナといいます。

 香り、ほろ苦さ、独特の甘味があり、春を楽しむ野菜です。

 ハクサイ、コマツナ、チンゲンサイのナバナも食用にできます。

 和種ナバナ(在来種)は、茎・(つぼみ)・葉を、洋種はと葉を食用にします。

 ナバナは品種改良が進み、あくが少なく、茎の軟らかな多くの新種が出荷されています。

 ナバナの生産量が多いのは三重県(27%)、次いで東京都、新潟県の順です(2022年)。花蕾を食用にするものに限れば、千葉県がトップです。

 鉄分、ビタミンB2、葉酸、ビタミンCなど、貧血予防のミネラルやビタミンが豊富。女性は月経、妊娠、出産、授乳などで貧血になりやすいので、とくにおすすめしたい野菜です。ビタミンCはゆで過ぎると3分の1に激減するので、注意が必要です。

 体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンは、皮膚や粘膜を保護します。カルシウムも多く、食物繊維も含まれています。

 スルフォラファンはファイトケミカルの一種です。発がん物質の解毒、抗酸化、殺菌などの効果があります。

 

おいしい食べ方と保存法

 沸騰したお湯に2%の塩を入れ、茎は3040秒、つぼみなどの先端部分はサッとゆで、冷水にさらします。苦味が少なくなり、食べやすくなります。

 お浸しには削り節が合います。辛子あえ、ゴマあえ、ワサビあえ、酢のもの、卵とじ、パスタの具、すまし汁にも。

 油で炒め、塩コショウで味を調えるだけでも美味です。炒めたり揚げたりするときは、下ゆでは不要です。

 保存は湿らせた新聞紙などに包み、ポリ袋に入れ、冷蔵庫で23日。冷凍するときは、硬めにゆでてから平らに並べてポリ袋に。食べる際は自然解凍で。

   【「食べもの通信」3月号より転載】

 


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