2025年8月1日金曜日

7月の旬

                  7月の旬

                 オクラ

 


              薬剤師 橋本紀代子

クレオパトラの美容食の一つといわれ、「レディースフィンガー」の別名もあります。

 アフリカ原産で、日本に入ってきたのは江戸末期。広く普及するようになったのは1970年代からです。

 花は美しく、咲いてから45日で実が収穫できます。

 ヌルヌル、ネバネバが特徴で、納豆や山芋とともに「三ねり」とよばれます。

 ネバネバのもとは食物繊維のペクチンで、整腸作用、血中コレステロールを減らす、血圧を下げるなどの働きがあります。

 糖とたんぱく質が結合したムチレージもネバネバのもとで、たんぱく質の消化を助け、胃粘膜を保護し、便通を整えます。

 β-カロテン、葉酸などのビタミンB群、ビタミンC、ミネラルのカルシウム、マグネシウム、カリウムなどが含まれています。

 オクラの生産量が多いのは、鹿児島県が断トツで約49%、高知県が約16%です(2023)

 

おいしい食べ方と保存法

 表面の毛を除くには、ヘタから先の方向に指で塩もみします。

 生のまま薄く小口に切って削り節と合わせ、しょうゆをかけて混ぜるだけで一品できます。

 納豆、山芋との相性も良く、よくかき混ぜてご飯や冷ややっこに載せていただきます。

 ゆで方は、塩もみしたあとパンクしないように空気抜きの包丁を入れます。12分ゆで、冷水で冷まします。

 豚しゃぶとのサラダも美味。サッと煮たり、焼いたりして、煮魚や焼き魚の付け合わせにも。

 生のまま冷凍したオクラをちくわに詰めてから、天ぷらの衣に青のりを混ぜて磯辺揚げに。

 肉巻きやベーコン巻きは作り置きし、容器に入れて冷凍します。食べるときにフライパンに多めの油を入れて加熱するだけで主菜になります。硬くなった種子は乾燥してから焙煎【ばいせん】し、コーヒーのように用います。

   【「食べもの通信」7月号より転載】

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