11月の旬
クハサイ(白菜)
薬剤師 橋本紀代子
古くからある野菜のように思われますが、日本に伝わってから100年とちょっと。日清・日露戦争の従軍兵が持ち帰ったといわれています。
約95%が水分です。葉酸、ビタミンC、ビタミンK、骨や歯の形成に役立つカルシウムなどの栄養素が含まれています。緑の部分には、体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンも。
緑黄色野菜が老化防止で注目されるなか、長い間ハクサイなどの淡色野菜にはあまり光が当たりませんでした。それが覆ったのが1990年の「デザイナーフーズ」の発表です。アメリカ国立がん研究所が「がんを予防する効果をもつ可能性のある食品」としてアブラナ科の野菜を上位にランク付けしました。
以後、イソチオシアネートなどのファイトケミカルが含まれるアブラナ科の野菜が注目されるようになりました。漢方では胃腸の働きを良くし、せき、むくみ、二日酔いなどに効果があるとされています。
おいしい食べ方
ハクサイ鍋は、冬の定番料理。ざく切りしたハクサイ、斜め切りしたネギ、豚バラ肉を交互に重ねて酒を振りかけ、ふたをして蒸し煮に。肉に火が通ったら食べ頃です。たれは、ポン酢しょうゆにユズこしょうなどを入れ、鍋の中の野菜から出た水分で薄めます。
浅漬けは、1㎝幅に切ったハクサイに2%の塩を加えて、もみ込みます。水分を捨てたら、薄くイチョウ切りしたレモンを入れて少しもむと、すぐに食べられます。
食べやすい大きさに切った豚肉、ニンジン、シイタケ、タケノコ、ハクサイなどをゴマ油で炒めます。オイスターソース、塩こしょうで味を付け、水溶き片栗粉でとろみを付ければ中華風に。
【「食べもの通信」11月号より転載】

0 件のコメント:
コメントを投稿