1月の旬
チコリ
薬剤師 橋本紀代子
日 光を遮断する軟白栽培により、若芽を食用にするようになったのはベルギーが最初で、19世紀になってからです。ベルギーではシコンと呼ばれ、代表的な冬野菜です。シャキシャキした食感、芳香、ほろ苦さを味わいます。
イギリスではチコリ、フランスではアンディーブと呼びます。 トレビスやラディッキオも同じ種で、品種が違います。
チコリ酸はポリフェノールと酒石酸が結合したもので、強い抗酸化力があり、活性酸素の働きを抑え、肝臓の働きを良くするほか、高血圧や動脈硬化の予防に役立つといわれます。
食物繊維のイヌリンは、コレステロールや食後の血糖値の上昇を抑えます。また、腸内環境を整えて免疫力をアップし、脂質代謝を改善します。
香気成分や苦味成分は胃酸の分泌を促し、消化を助け、胃もたれや胸やけを防止します。
レタスなどにも含まれるラクチュコピクリンは苦味成分の一つで、鎮静作用があります。ゴボウのような根を乾燥、焙煎、粉砕したものは「チコリコーヒー」と呼ばれ、ドイツでは糖尿病の改善に良いとされています。
おいしい食べ方と保存法
芯の部分に苦味が多いので、苦手な人は取り除きます。
1枚ずつはがして舟形の器にし、ハム、チーズ、ディップなどをのせてオードブルにします。
スープにするときは芽の根元を少し切り落とし、食べやすい大きさに切ります。コンソメ、ポタージュ、中華スープ、みそ汁などの具にもなります。
食べやすい大きさに切ってからごま油で炒め、卵とじに。
グラタンに用いる場合は、レモン汁を入れて下ゆですると、黒ずみを防げます。
乾燥と冷気に弱いので、なるべくその日のうちにいただきます。どうしてもの場合はラップに包み、冷蔵庫の野菜室で保存。
【「食べもの通信」1月号より転載】

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