2017年4月27日木曜日


   5月の旬  新ジャガ

              薬剤師 橋本紀代子
 
 新ジャガの定義はさまざまです。一般的には、春先に出回る九州産のジャガイモを新ジャガといいます。

掘りたてを新ジャガという場合もあり、北海道産は710月に採れたものでも新ジャガといいます。皮が薄く、みずみずしく、 さっぱりした味です。

ジャガイモの原産地は南米。16世紀頃ヨーロッパに、日本には江戸時代初期に伝わりました。本格的な栽培は、明治時代の北海道開拓以降です。

ジャガイモの品種は世界に数千種あるといわれ、日本でも主な品種だけで約20種は生産されています。生産量が多いのは、群を抜いて北海道です。

ジャガイモに多く含まれるビタミンCは、でんぷんに保護されているので、加熱しても壊れにくいという特長があります。

ビタミンCには免疫力アップ、肌の潤いが増すなどの働きがあります。利尿作用があるカリウムも豊富です。主食になるほどですからでんぷんも多く含まれますが、穀類やほかの芋類に比べて、カロリーは低めです。 

おいしい食べ方と保存方法

新ジャガはきれいに洗い、十字の切れ目を入れ、皮ごとゆでる、蒸す、油で揚げるなどして、熱々を食べます。バターしょうゆやみそバター味も合います。

フライパンに、小さめの新ジャガ、トマト、ニ ンニク、アンチョビ、たっぷりのオリーブ油を入れ、ふたをして蒸し焼きにし、塩コショウで味を調え、バジルなどのハーブを散らすとイタリア風になります。

保存は新聞紙にくるみ、日光の当たらない常温の場所で。リンゴといっしょに保存すると発芽が抑えられます。

【「食べもの通信」3月号より転載】

 

2017年4月1日土曜日

4月の旬 コウサイタイ
        薬剤師 橋本紀代子
コウサイタイ(紅菜苔)は、ナバナの一品種です。葉柄や葉脈が赤紫色で、別名はベニナバナ(紅菜花)です。寒さに当たると、茎の色がさらに鮮やかになります。つぼみ、葉、茎を食用にします。独特の甘み、ぬめりがあり、苦味が少ないのが特長です。
 原産地は中国湖南省・湖北省辺りで、日本での栽培は1970年代からです。
 コウサイタイの赤紫色の色素は、ポリフェノールの一種「アントシアニン」で、抗酸化作用があり、がん予防に役立ちます。
 コウサイタイなどのナバナ類には鉄分、葉酸、ビタミンCなど、貧血に良い成分が多く含まれます。貧血の症状には、肩こり、疲れやすさ、息切れなどがあり、46人に1人が貧血といわれる女性におすすめしたい野菜です。カルシウムは100g中160・も含まれ、これは成人の1日の摂取目標の1/4に当たります。このほか、β-カロテン、食物繊維が多いのも特長です。
おいしい食べ方と保存法
 沸騰したお湯に2%の塩を入れ、酢を少し垂らします。茎は1分、軟らかい部分は20秒ほどゆでて、冷水にさらします。酢を入れないと、せっかくの赤紫色がゆで汁の中に出てしまいます。
 ゆでたコウサイタイはおひたし、カラシあえ、卵とじ、卵焼き、グラタン、パスタの具などにします。
 油で炒め、塩コショウで味を調えるだけでもおいしいです。炒めたり、揚げたりするときは、下ゆでは不要です。
 保存は湿らせた新聞紙にくるんでポリ袋に入れ、冷蔵庫で23日です。硬めにゆでて冷凍し、自然解凍してもオーケーです。
【「食べもの通信」4月号より転載】