11月の旬 ナガネギ
薬剤師 橋本紀代子
東日本では白い部分が多い根深ネギ(白ネギ)、西日本では、おもに緑の部分を食べる葉ネギ(青ネギ)が一般的です。ほかに、香りの強いネギ、小ネギ、軟らかいネギ、太ネギ、甘味の強いネギなど、全国で多くの伝統品種が栽培されています。
原産地は中国西部、モンゴル辺りの草原です。中国では数千年前から栽培され、日本に伝来したのは5世紀頃です。
旬は冬。寒くなると甘みが増します。出荷量が多いのは千葉、埼玉、茨城などの各県です。
強い香りは「アリシン」という成分です。ビタミンB1の吸収を良くし、消化液の分泌を助け、血管をひろげて血流を改善し、抵抗力を高めます。
緑色の部分には、ビタミンAやミネラルが多く含まれています。さらに、緑の葉の内側にあるぬめり成分「ヌル」は、免疫力をアップさせます。
漢方ではネギの白い部分を葱(そう)白(はく)といい、発汗、解熱、健胃、喉の痛みをやわらげる、気持ちを安定させるなどの働きがあるとされます。
おいしい食べ方と保存法
風邪の初期にはみじん切りにしたネギ、おろしショウガ、梅干し、削り節などにみそを加え、熱湯を注いで飲みます。
お好み焼きの「ネギ焼き」やネギラーメンには、青ネギをたっぷりのせます。ネギの卵とじは斜めに切ったネギを少しの油で炒め、だししょうゆをかけて溶き卵でとじます。
豆腐ステーキは豆腐を1㎝の厚さに切り、水気をとって油で両面を焼き、きざみネギと削り節をのせ、しょうゆをかけて蒸し焼きにします。ネギの保存はラップでくるみ、野菜室に。 【「食べもの通信」11月号より転載】
0 件のコメント:
コメントを投稿