10月の旬
ブラウンマッシュルーム
薬剤師 橋本紀代子
和名は「ツクリタケ」。「西洋マツタケ」の別名もあり、世界のキノコの約75%を占めます。コロンとした丸いカサをもち、ホワイト、オフホワイト、クリーム、ブラウンなどの種類があります。
日本では、風味がおだやかなホワイト種が好まれます。ブラウン種は香りが強く味も濃いので、炒めものや煮込み料理に向いています。最近は、時間をかけて大きく育てたジャンボマッシュルームも出回るようになりました。
旬は春と秋です。原産地はヨーロッパ。日本では明治時代に栽培が始まり、大量に輸出していました。現在のおもな産地は千葉県と岡山県で、全体の約70%を占めます。
マッシュルームにはうま味成分のグルタミン酸が多く、カリウム、食物繊維なども含まれています。また、ビタミンB群が豊富で、その一つであるパントテン酸は食欲不振の改善、皮膚や粘膜の健康の維持、免疫力を高める、善玉コレステロールを増やす働きなどがあり、ホルモンの合成にも欠かせません。ただしパントテン酸は熱に弱く、加熱調理で約半分が破壊されます。漢方では食欲不振、のぼせ、痰に効くとされています。
おいしい食べ方と保存方法
土や汚れをキッチンペーパーか布で拭きとります。水洗いは風味を失うのでNGです。
生のままスライスして、変色防止のレモン汁をふり、サラダなどで食べます。まるごとバターやオリーブ油で半生程度に炒めても。シチューやスープに入れて煮込むのは定番です。網焼きしてから、ニンニク風味のオリーブ油と酢を混ぜたドレッシングをかけてもおいしいです。
保存はペーパータオルに包み、保存袋に入れて冷蔵庫に。薄切りしてレモン汁をかけ、冷凍保存してもよいでしょう。冷凍するとうま味が増します。
【「食べもの通信」10月号より転載】
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