12月の旬
アボカド
薬剤師 橋本紀代子
アボカドの木は熱帯、亜熱帯地域の高木で、街路樹や庭木にもよく見られます。果実はマグロのトロのような食感で、「森のバター」「バターフルーツ」ともよばれます。和名はワニナシ(鰐梨)。果皮は緑色と黒味がかった紫の2色がありますが、どちらも果肉は薄緑色です。
メキシコ、ペルー、アメリカなどから輸入されています。国内ではわずかですが和歌山県、愛媛県などで栽培されています。国産のアボカドの収穫時期は11~1月です。常温で追熟させます。
果肉に含まれる脂肪分は16~20%。ほとんどがオレイン酸で、動脈硬化を予防し、ビタミンEとともにコレステロールを減らす働きもあります。ビタミンB1、B2、貧血に効く葉酸も含まれています。利尿作用があり、高血圧に良いカリウム、便秘を改善する食物繊維も豊富です。
ある種の抗うつ剤などでアボカドとの食べ合わせに注意が必要な薬があります。また、ラテックス(ゴム)アレルギーの方はアレルギー症状が強く出ることがあるので、要注意です。
おいしい食べ方と保存法
やや軟らかく感じるころが食べごろです。縦に2つに切り込みを入れ、左右反対側に回転させ、2つに分けます。種は包丁のかかと(角)を刺し、回転させると簡単に取れます。
そのままスプーンですくって食べても、皮をむき、食べやすい大きさに切ってワサビじょうゆで食べても。カルパッチョやサラダ、春巻きの具にも合います。「カリフォルニアロール」は、アボカドののり巻きです。硬めのものは天ぷらにすると、おいしくいただけます。
熟したものはポリ袋に入れて冷蔵庫で2~3日。切ったあとは変色するので、レモン汁をかけて酸化を防ぎます。切ってから冷凍保存すると便利です。
【「食べもの通信」12月号より転載】
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