4月の旬
サザエ
薬剤師 橋本紀代子
コリコリの食感と磯の香りが特徴です。殻には5本前後の筋と、管状の突起(つの)があります。漢字では「栄螺」。螺は巻貝の総称で、栄が「サザエ」になったなど諸説あります。
つのの有無は育った海の波の荒さに関係するとされ、波の静かな内湾などでは「つのなしサザエ」も見られます。
クルクル回転させて身を取り出すと、最後に生殖巣がテテきます。緑色だと雌で苦みが強く、クリーム色だと雄で苦みはわずかです。
北海道から九州にかけて広く分布しています。漁獲量が多いのは長崎県、山口県などです。
産卵前の3~8月が食べごろ。
たんぱく質が多く、脂質は少なく、ビタミン、ミネラルもバランス良く含んでいます。うま味成分「コハク酸」は、アワビの2倍含まれています。
β-カロテンやビタミンE、ミネラルのカリウムや亜鉛なども豊富です。血圧を下げ、動脈硬化を予防するタウリンの含有量がとても多いのも特長です。
漢方では腎の働きを良くし、神経痛、虚弱体質を改善。髪の毛の成長にも良いとされます。
おいしい食べ方
サザエといえばつぼ焼きです。口を上にして網にのせ、中火以下で焼きます。ふたから水分が吹き上げてきたら1分弱待ち、酒としょうゆを同量混ぜて口から注ぎ、もう一度吹き上がったら、2分ほどで出来上がり。渦巻き状の砂袋、ふた近くの赤い口、ハカマといわれる部位は苦いので、取り除くのが無難です。
パセリ、ニンニク、コショウを効かせたエスカルゴバターをのせて、オーブンで焼いても美味。
刺身は、ふたと殻の間にナイフを入れて上部を取り出し、殻に指を入れて反時計回りに回して、下部を取り出します。
炊き込みご飯、ブルスケッタ、バジルバターパスタ、細かく切りかき揚げにするのもおすすめ。
【「食べもの通信」4月号より転載】
0 件のコメント:
コメントを投稿