11月の旬
サバ
薬剤師 橋本紀代子
数をごまかすことを「サバを読む」といいます。サバは足が早いので大急ぎで数え、数をごまかしたことに由来します。
鮮度が重要で、内臓の処理を手早くおこないすぐ冷蔵します。アレルギーの原因となるヒスタミンなどができやすいからです。
マサバ、ゴマサバ、タイセイヨウサバの3種類に大きく分類されます。マサバは南三陸の「金華サバ」、大分の「関サバ」、三浦半島の「松輪サバ」のように地域ブランド化されて非常に高価です。
干もの、締めサバ、フライなど、市販の加工品は、ほとんどが外国産のタイセイヨウサバです。
DHAやEPAなどのオメガ3系の必須脂肪酸が豊富です。血中コレステロール値を下げる効果があり、生活習慣病の予防が期待できます。とくに血合い部分にはビタミンやミネラルが多く含まれています。貧血の予防や神経に良いビタミンB12のほか、ビタミンDも含まれています。
漢方では疲れやすく、冷えの症状があり、貧血気味の方に向いている食材とされています。
おいしい食べ方
塩焼きは内臓を取って二枚におろし、食べやすい大きさの切り身にします。皮目に1㎝間隔の切り込みを入れ、両面に塩を振って30分冷蔵庫に。水分を拭き取り、グリルで焼きます。大根おろし、カボスを添えます。
ポリ袋に小麦粉5に対しカレー粉1の割合で入れて振り、一口大に切ったサバを投入。バターでソテーすると美味です。
みそ煮は、みそを2~3回に分けて煮汁に合わせ、味をみながら加えます。
大阪のバッテラは、白板昆布(バッテラ昆布)と合わせた押し寿司です。
兵庫県の郷土料理「さばのじゃう」は、焼き豆腐、ネギ、ハクサイ、シュンギク、ゴボウなどの、すき焼き風の寄せ鍋です。
根曲がり竹とサバ缶のみそ汁は長野県の郷土料理です。
【「食べもの通信」11月号より転載】