5月の旬
アスパラガス
薬剤師 橋本紀代子
土から顔を出した若い茎を食用にします。はかまのように付くのが退化した葉です。
和名は「オランダキジカクシ」。雉を隠すほど生い茂っているのは、葉ではなく枝です。
グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスはまったく同じ品種ですが、ホワイトアスパラガスは日光に当てないように地中で育てられたものです。ムラサキアスパラガスには、アントシアニンという色素が含まれています。小さいうちに早どりしたのがミニアスパラガスです。
生産量が多いのは、北海道、佐賀県、熊本県(2023年)。メキシコなどから輸入もされています。旬は5~6月。
グリーンアスパラガスの栄養はとても豊富で、β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンE、鉄分、カルシウムなどが含まれ、貧血予防の栄養素がいっぱいです。
アスパラギンが体の中でアスパラギン酸に変化して疲労回復に役立ち、スタミナ野菜ともよばれます。パントテン酸は新陳代謝を促します。穂先に含まれるルチンは、毛細血管を丈夫にし、血流を改善します。
カリウムには利尿作用があり、高血圧を予防し、食物繊維は便通を整えます。
おいしい食べ方と保存法
根元が硬くなっている場合は、ピーラーで皮をむき、手でポキンと折ります。ゆでるときは、1%の塩を入れた熱湯で1~2分。鮮度や太さでゆで時間を調節し、ざるにあげて冷まします。
オーブントースターや焼き網で焼くと、香ばしく仕上がります。みそ1に対しマヨネーズ2を混ぜた「みそマヨ」が合います。
ベーコンや肉で巻き、塩コショウをしてフライパンで焼くと、お弁当のおかずになります。
なるべく早く調理して食べたい野菜ですが、冷蔵庫で保存するときはぬれたキッチンペーパーに包み、さらにポリ袋に入れて立てて置きます。
【「食べもの通信」5月号より転載】