4月の旬
ミョウガタケ
薬剤師 橋本紀代子
ミョウガの若い茎(偽茎)を軟白栽培し、最後に少し日光に当てて赤みを入れたものがミョウガタケです。鉛筆のような細長い形をしています。路地物は少し光に当たるので、先端が緑色です。
爽やかな香りとシャキシャキとした食感、花ミョウガよりおだやかな味と香りが特徴です。旬は3~6月。東北地方では8月ごろまで出荷されます。原産地は東アジアの温帯地域です。
独特な香りはα-ピネン類で、リラックス効果や発汗を促す作用、血液の循環を良くして冷えをとり、胃の消化を助けるなどさまざまな働きがあります。カリウム、カルシウム、ミネラル、ビタミンKなど、各種の栄養素を少量含みます。
おいしい食べ方と保存方法
漢方では口内炎、喉の痛み、熱中症など、体にこもった熱を冷まし、生理不順などにも効果があるとされます。
生のまま斜めに薄く切ったミョウガタケに削り節、しょうゆをかけるだけで、ご飯のおかずや冷ややっこの薬味になります。長めに切って、みそやマヨネーズをつけて食しても美味です。甘酢漬けにすると、紅色が美しく出ます。薄切りにして豚しゃぶにのせ、お好みのドレッシングでいただくと、さっぱりとした風味に。
だし汁、しょうゆ、みりん、砂糖、タカノツメをひと煮立ちさせ、ミョウガタケを煮ふくめれば、キンピラに。中華風の炒めものやパスタの具にしても。
斜め薄切りにしてかき揚げに。エンピツ状に切り、衣をつけて1本ずつ揚げると天ぷらに。すまし汁やみそ汁には、火を止めてから浮き実にします。
保存は湿らせたキッチンペーパーにくるみ、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で2~3日。冷凍保存もできますがシャキシャキ感がなくなるので、みそ汁の実や炒めものに使いましょう。
【「食べもの通信」4月号より転載】
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