5月の旬
ルッコラ
薬剤師 橋本紀代子
ゴマに似た香りと、ピリッとした辛味が特徴の緑黄色野菜です。
「ルッコラ」はイタリア語。日本では1990年代のイタリア料理の流行とともに普及しました。英語では「ロケット」「ロケットサラダ」といいます。
地中海沿岸では紀元前から食べられ、「クレオパトラの美容食」などとよばれています。
露地ものは春と秋が旬ですが、流通しているものはほとんどがハウス栽培なので、通年出荷されています。出荷量が多いのは静岡県、茨城県などです。
ビタミンの宝庫で、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンKを含有。イライラを改善するカルシウム、貧血予防の鉄分、味覚を正常にする亜鉛も豊富です。抗菌や抗がん作用があるといわれるアリルイソチオシアネートも含まれています。
おいしい食べ方と保存法
サラダやカルパッチョなどの生食には茎が細く、軟らかいものを選びます。きのこと合わせたサラダはイタリア料理の定番。スライスしたニンニクをオリーブ油で炒め、香りが出たらマッシュルームなどのきのこを炒めて塩・コショウで味付けし、生のルッコラと混ぜます。
冷ややっこ、ピッツァ、カプレーゼに、手でちぎった生のルッコラとチリメンジャコをのせると、食欲を刺激する一品に。
しっかり成長し、香り、辛味、苦味が増したものは、サッとゆでると食べやすくなります。おひたし、白あえ、ゴマあえ、肉の付け合わせなどにします。
保存は水で湿らせてポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てておきます。保存期間は3日ほどです。鮮度が落ちると独特の香りも落ちます。ペースト(ルッコラ、ニンニク、乾煎りしたクルミまたは松の実やカシューナッツ、オリーブ油、レモン汁、塩をフードプロセッサーにかける)にすると、冷凍保存もできます。
【「食べもの通信」5月号より転載】
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