2026年9月30日水曜日

10月の旬ビーツ

                 10月の旬

 

                    ビーツ

               薬剤師 橋本紀代子

コカブほどの大きさの丸い根のような部分と葉と茎を食用にします。和名は火焔菜【かえんさい】。ホウレンソウの仲間で、テンサイ(砂糖大根)に近い植物です。

 生でも甘みがありますが、ゆでるとさらに甘みが増します。

 葉や茎はホウレンソウのように調理し、若い葉はベビーリーフとして用います。

 ヨーロッパ原産で、地中海沿岸で栽培され、食用になったのは2~3世紀ごろです。日本には江戸時代初期の記録があります。

 国内では熊本県、長野県、茨城県、北海道などで生産され、旬は初夏と晩秋です。

 ポリフェノールの赤紫色のベタシアニンと黄色のベタキサンチンが含まれています。そのバランスにより、赤紫色、オレンジ、黄色などの根になります。ポリフェノールの抗酸化作用は強く、肌などの老化を防ぎます。

 「食べる輸血」といわれるほどで、葉酸などのビタミン類、カリウム、マグネシウム、リン、鉄などのミネラルも豊富です。

 

おいしい食べ方と保存法

 皮をむき、横に薄くスライスするとしま模様が美しく、生のままサラダに散らします。皮付きのまません切りにすると、色の美しさが際立ちます。

 ウクライナ料理の「ボルシチ」は真っ赤なスープが特徴で、ビーツが欠かせません。皮をむいてせん切りなど食べやすい大きさに切り、肉、ジャガイモ、タマネギ、トマト、ニンジンなどの野菜と煮込みます。本場ではサワークリームを添えます。

 皮付きのまま水から煮て、沸騰したら20~30分ほどゆでます。竹串が通ったら酢を少し入れ、火を止めてゆで汁につけたまま冷まし、キッチンペーパーで皮をむきます。1㎝ほどの厚さに切り、オリーブ油、塩、こしょうでいただきます。バーニャカウダにも。

 根の保存はポリ袋に入れ冷蔵庫で1週間、葉は2日以内です。

 【「食べもの通信」10月号より転載】

 

2026年9月1日火曜日

                 9月の旬

長芋


                薬剤師 橋本紀代子

山芋の一品種で、文字通り長いのが特徴です。中国から伝来し、日本での栽培は縄文時代後期からといわれます。

 秋掘りの長芋は皮が薄く、あくが少なく、みずみずしく、シャキシャキした食感です。春掘りは土の中で熟成されるので、甘みも粘りも強くなります。

 北海道と青森県で生産量の8割近くを占めます。

 長芋にはでんぷんの消化酵素であるアミラーゼが多く含まれています。ぬめりのもとのムチレージは高い血糖値を下げます。 

 ジオスゲニンは天然のステロイドで男性ホルモンの原料にもなり、疲労回復に効果があります。ビタミンB群やビタミンCも含まれています。

 漢方では山薬(さんやく)と呼ばれ、滋養強壮、足腰を丈夫にする、夜間頻尿、下痢などに効果があるとされています。

 

おいしい食べ方

 

細切りまたはスティック状に切り、刻んだ梅干しとナメタケであえるとシャキシャキした食感を味わえます。

 長芋ステーキは、皮をよく洗い、皮付きのまま厚さ1.5㎝厚さの輪切りにします。水分を拭き取り、フライパンに大さじ1のごま油で片面4分ずつ焼き、しょうゆ・酒を等量混ぜたたれを回しかけます。盛り付けたら刻みネギ、削り節をのせます。

 「雪花焚き(せっかだき)」は皮をむいた長芋を厚さ5㎜ほどに切ります。鍋に水200㎖、酢小さじ1、塩ひとつまみを入れ、長芋が軟らかくなるまで煮ます。お湯を切り、フォークでつぶし、塩で味を調え、皿に新雪のようにふんわりと盛り付けます。

 とろろ汁、肉巻き、酢の物、煮物、スープ、芋粥(いもがゆ)、油炒め、そばやかまぼこのつなぎ、お菓子にも用います。

 生食はじんましんやぜんそくになることがあるので、アレルギーの有無がわからない乳幼児は食べない方が安全です。