2019年5月31日金曜日


       6月の旬
             大阪シロナ
            薬剤師 橋本紀代子
「大阪白菜」と書きます。ハクサイの仲間の交雑種で、シロナ、テンマナ(天満菜)、シャクシナともよばれます。葉は卵形で、うす緑色。葉柄は白です。アクやクセがほとんどなく、火を通すとしんなりと軟らかくなります。
 奈良時代以前に中国から渡来したといわれ、江戸時代から大阪、京都、奈良方面で栽培されてきました。大阪府が認証する「なにわの伝統野菜」の一つです。
 ハウス栽培も盛んで1年を通して、主に近畿地方で流通しています。本来は甘味が増す冬が旬ともいわれますが、葉ものが少なくなる夏に需要が高まります。
 体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンが豊富です。ビタミンK、ビタミンC、貧血予防の葉酸、ビタミンB2、利尿作用のあるカリウム、丈夫な骨をつくるカルシウムも含まれます。
 漢方では、ハクサイの仲間には胃腸の働きを改善する効能があり、便秘、下痢、みぞおちのつかえ、咳やイライラの解消にも効くとされています。
おいしい食べ方と保存方法
 もともとは「漬け菜」の種類で、塩漬けにできます。ゆでるときは切らずに根元の白い部分を先に浸し、軟らかくなったら葉の部分を入れ、冷水にとり、水分を拭きとります。
 けずり節やポン酢をかけても、ゴマやカラシであえても美味です。油揚げとの煮びたしは家庭料理の定番です。河内の伝統料理「大阪シロナとサツマイモのお付け」は、煮干しでだしをとったみそ汁です。鍋料理、中華料理、シチューにも合います。
 冷蔵保存は湿らせた新聞紙などにくるみ、ポリ袋に入れ、根を下にして立てて、野菜室に。できるだけ早めに食べましょう。
 冷凍保存は一度硬めにゆでて冷水に落とし、水気を切り、小分けして冷凍します。使うときは自然解凍し、汁ものは凍ったまま用います。
【「食べもの通信」6月号より転載】


2019年4月23日火曜日


               5月の旬
                               ウルイ

                        薬剤師 橋本紀代子
  栽培され、お店で売られているウルイの和名は「オオバギボウシ」です。若い葉と葉柄は、昔から山菜として親しまれてきました。ギボウシの名前は、花のつぼみが欄干の擬ぎ宝ぼう珠しゅに似ているから。ウルイのほか、ウリッパ、山カンピョウ、ギンボともよばれます。うす紫色の花が美しいので、観賞用としてよく庭に植えられています。
 中国、朝鮮半島、日本に分布し、北海道から鹿児島県の屋久島まで広い地域に自生しています。山形県ではハウス栽培が盛んで、日光に当てずに軟白栽培された「雪うるい」が2月ごろから出荷されます。天然ものの旬は4~5月。
 ゆでたり包丁でたたくと、ぬめりが出ます。ぬめりのもとは粘液糖たんぱく質で、消化管の保護やリンパ球を増やして病気への抵抗力を高める働きがあります。肌に良いビタミンC、食物繊維も豊富です。
 民間療法では、体質改善を目的に全草の煎じ液を飲む、腫れものの妙薬として患部を洗うときにも利用します。

美味しい食べ方と保存法
 サクッとした歯触りと、アクが少ないのが特徴です。生で食べるときは長さ4・ほどに切り、トマトやキュウリなどとサラダに。生ハム巻き、浅漬け、塩コンブ漬けにしても美味です。
 ゆでるさいは葉は5秒、葉柄は15秒ほどでザルにあげ、うちわであおいで冷まします。お浸し、酢みそあえ、ゴマあえ、カラシあえ、マヨネーズあえなどのあえものにも。生のまま衣をつけて揚げる天ぷらは、ジューシーで甘さとほろ苦さを味わえます。
 「山カンピョウ」は葉柄をゆでてから天日干ししたもので、水で戻し、身欠きニシンとの炊き合わせや卵とじなどにします。
 保存は湿らせたキッチンペーパーでくるみポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に立てておきます。なるべく早く食べましょう。
【「食べもの通信」5月号より転載】


2019年4月2日火曜日


           4月の旬
                          ミョウガタケ
                              薬剤師 橋本紀代子

ミョウガの若い茎(偽茎)を軟白栽培し、最後に少し日光に当てて赤みを入れたものがミョウガタケです。鉛筆のような細長い形をしています。路地物は少し光に当たるので、先端が緑色です。
 爽やかな香りとシャキシャキとした食感、花ミョウガよりおだやかな味と香りが特徴です。旬は3~6月。東北地方では8月ごろまで出荷されます。原産地は東アジアの温帯地域です。
 独特な香りはα-ピネン類で、リラックス効果や発汗を促す作用、血液の循環を良くして冷えをとり、胃の消化を助けるなどさまざまな働きがあります。カリウム、カルシウム、ミネラル、ビタミンKなど、各種の栄養素を少量含みます。
おいしい食べ方と保存方法
 漢方では口内炎、喉の痛み、熱中症など、体にこもった熱を冷まし、生理不順などにも効果があるとされます。
 生のまま斜めに薄く切ったミョウガタケに削り節、しょうゆをかけるだけで、ご飯のおかずや冷ややっこの薬味になります。長めに切って、みそやマヨネーズをつけて食しても美味です。甘酢漬けにすると、紅色が美しく出ます。薄切りにして豚しゃぶにのせ、お好みのドレッシングでいただくと、さっぱりとした風味に。
 だし汁、しょうゆ、みりん、砂糖、タカノツメをひと煮立ちさせ、ミョウガタケを煮ふくめれば、キンピラに。中華風の炒めものやパスタの具にしても。
 斜め薄切りにしてかき揚げに。エンピツ状に切り、衣をつけて1本ずつ揚げると天ぷらに。すまし汁やみそ汁には、火を止めてから浮き実にします。
 保存は湿らせたキッチンペーパーにくるみ、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で2~3日。冷凍保存もできますがシャキシャキ感がなくなるので、みそ汁の実や炒めものに使いましょう。
【「食べもの通信」4月号より転載】


2019年2月28日木曜日


             3月の旬

             葉ゴボウ
          薬剤師 橋本紀代子

 葉ゴボウは、根も葉も茎(葉柄)も食べられます。葉から根の先まで全長80㎝ほど。普通、ゴボウと呼んでいる根はごく短く、長い茎が特徴で、シャキシャキした歯ごたえがあります。「越前白茎ゴボウ」や「八尾若ゴボウ」などの品種が栽培されています。
 葉ゴボウは、平安時代にシベリアから伝わったといわれます。「越前白茎ゴボウ」は福井県の伝統野菜で、おもに坂井市で栽培され、「八尾若ゴボウ」は大阪府八尾市の特産品です。ハウス物は1月下旬から、路地物は3~4月に出荷されます。
 食物繊維、鉄分、カルシウムが豊富です。「フラボノイド」の一種の「ルチン」は、毛細血管を強化し、血栓を防ぎます。アクは、クロロゲン酸などのポリフェノールで、発がんを抑え、肝臓や胃にも良いとされます。
おいしい食べ方と保存方法
 漢方では、糖尿病やおできなどに効能があるとされています。
 苦味があるので、アク抜きをします。根はたわしでよくこすってから切り、水に20分ほどさらします。茎も切ったあと水にさらします。葉は苦味がとくに強いので、熱湯で30秒ほどゆでてから冷水にとり、30分ほどさらします。
 炒め煮は根を油で炒め、だし汁を入れて軟らかくなるまで煮てから茎と油揚げを入れ、酒、みりん、しょうゆで味付けし、水分がなくなるまで煮ます。きんぴら、中華風の炒めもの、バターでソテー、パスタの具にも。下ゆでした茎は、みそ汁やすまし汁の具にも合います。葉は細かく刻み、つくだ煮に。かき揚げにするときは、茎や根の下ゆでは不要です。
 保存は、根と茎と葉を切り分け、湿らせた新聞紙などにくるみ、袋に入れて冷蔵庫の野菜室で2~3日。下ゆで後、冷凍保存も可。
【「食べもの通信」3月号より転載】



2018年12月29日土曜日


東京革新懇「人間講座」26夜
 個人を大切にしてこそ大きな広がりが 

 12月1日午後、東京革新懇「人間講座」26夜、「今を生き、今を語り、行動は自分らしく!」をテーマに、国会前行動でつながった3人の方をお招きし、100名を超える参加者のもと開催。戦争法反対を契機に官邸前で一人芝居を演じる右田隆さん、ドイツ在住27年、そこから見た日本を語る守屋真美さん、そして「人間講座・25夜」でお馴染みの元シールズ・ヒバクシャ国際署名のキャンペーンリーダー林田光弘さんです。 
一部 “九条が平和を守る”アレンの思いが伝わる演技
 
白装束で袴姿の右田さんが安倍首相をモリカケ音頭で痛烈に批判しながら登場。「人間講座」の幕が開きました。そして舞台は1965年ニューヨーク。黒人青年アレンが海兵隊に勧誘さる場面に。ベトナム侵略戦争を通じて人間を失っていく自分と九条の存在を知って救われていくアレンを「九条への生還」に表し、演じました。
98年「人間講座」十一夜でアレンネルソン氏をお招きしましたが、右田さんの迫真の演技は、今は亡きアレンが復活したように思えたほどで、大きな感動が広がりました。      
二部 個人が大切にされてこそ豊かな社会
ドイツでは、医療費、教育費は無料で、働いても10時間以上はダメ。ところが日本では、消費税増税、福祉切り下げ、こんなひどい安倍政治に何でみんなが怒らないのかと。今の日本は、ナチズムの台頭を許した時代とよく似ていると強い危機感を語る守屋さん。心理学者マーティンセリグマンの「何をしても意味がない」「学習性無気力」がそれだと。また、同調思考が強い日本、それは逆に組織に同調しないと排除されると。ホロコーストの研究者、社会学者スタンレーミルグラムの「服従の心理」(河出書房)を紹介。実際、1996年、市民の不買運動で、シェル石油の横暴を中止させたり、仏の二度目の核実験を阻止した市民の闘いは、ボイコット実行委員会があった訳でもない、そこには、戦前の反省から個人主義が大切にされ、市民が行動していく中での前進ではなかったかと。
日本でも国会前行動が一人でも参加できるし、みんなで繋がっていくことが大切。一人芝居の右田さんをみて、「勇気ある人がいるよ」と何人かに知らせ、その中の一人が「人間講座」の角倉さんに繋がり、今日、こんなに大きなことが出来たのではないか、私は確信を持ちたいと思う。皆さん、一緒に「倦まず弛まず諦めず」頑張っていきましょうと結びました。
三部 若ものの意見を良く聞こう
林田さんのコーディネートで右田さん、守屋さんの3人のトーク。何で官邸前?動機を聞かれた右田さん。被爆者だった母親が原爆の恐ろしさを小さい時から話していた。もし戦争になるようなことになったら、道路に出て平和を叫んでくれと言われたと。会場から驚きの声。
若者の社会参加に移り、守屋さんがドイツでは日本のように年齢差で物を言うようなことはなくて、20台、30代の人達が気軽に参加している。 
林田さんからは組合や社会運動に入った友人たちから良く聞くのは、上の人達のマウンティングが多い、特に知識の差のようなものをひけらかす、一番嫌なのは相手がマウンティングしているのが分かっていない、教えてやってると言う言い方には耐えられない、一緒にやりたくないと。僕も気を付けるが皆さんもと言うと会場から笑いと拍手。
 次に会場とのディスカッションに移り、「右田さんの演技には感動した。私たちの地域に来てやって欲しい」とか、「活動する上で上の人との関係で悩んでいる」という女性の発言、「右や左と言っている人でも話し込めば一致点もあるのでは」など意見が出され、最後に沖縄から参加された方が紹介され、デニー玉城知事誕生の暁には、参加すると約束したのでとの挨拶に会場が大きな拍手に包まれました。
 最後に今井東京革新懇事務局長から作家の藤原審爾さん提唱の「人間講座」がこのように盛会になったことへ謝辞が述べられ閉幕となりました。 
26夜は、感動と共鳴、問題意識の共有が広がりました。(東京革新懇世話人 佐々木 浩)


           1月の旬
      紅芯(ルビ=こうしん)大根
               薬剤師 橋本紀代子 
形は「カブ」のように丸く、表皮の色は「青首大根」のようで、中は赤い色をしています。青皮(ルビ=あおかわ)紅心大根ともよばれ、大根の品種の一つです。辛味が少なく、甘味とシャキシャキした食感が特長です。
中国・北京の辺りでは古くから栽培されていたようで、日本へは中国から伝わりました。中国では「心里美(シンリメイ)」と書きます。「里」は「裏」の略字で、「心の中は美しい」という意味になります。別名「紅心美」とも。旬は11月ごろからの寒い季節です。
赤い色はアントシアニンで抗酸化力があり、免疫力をアップさせ、目の疲れや肌の健康に良いとされます。そのほか、消化を助ける酵素類やビタミンCも豊富です。葉にはカルシウム、カリウム、β-カロテン、ビタミンCなどが含まれています。
おいしい食べ方と保存方法
漢方では、大根は消化を助け、咳、痰を改善する働きがあるとされています。
生で食べるのがベストです。お祝いのときには、花びらのような飾り切りにするときれいです。大根おろしにしても色鮮やかです。千切りにし、塩とゴマ油を振ってサラダに。薄くスライスしてリンゴやハムなどを巻く、スティック状に切ってバーニャカウダの具材にしても楽しめます。
ジュースにするさいは、レモン汁を加えると飲みやすくなります。
 酢に漬けると赤色がより鮮やかになります。塩と砂糖でしんなりさせて、酢、みりん、コンブを加え、冷蔵庫に一晩置けば即席の千枚漬けになります。加熱は色が変わるので最小限にしましょう。
葉や茎は食べやすい長さに切り、さっとゆでて冷凍し、食べるときはゴマ油で炒めるなどします。
【「食べもの通信」1月号より転載】


2018年10月31日水曜日

食べもの

         11月の旬       
       ギンナン 
       
              薬剤師 橋本紀代子
イチョウの種子をギンナンといい、硬い殻の中の淡緑色の胚乳を食用にします。イチョウの渡来は中国からで、15世紀ごろといわれます。現在は中国、朝鮮半島、日本、ヨーロッパ、北米にも植えられています。
 全国で収穫されますが、愛知県稲沢市祖父江町のギンナンは、品質が良いことで有名です。愛知、大分の両県だけで全国の半分を生産しています。収穫は9~11月。収穫にゴム手袋を用いるのは、黄色の部分(外種皮)のにおいが強いのと、ウルシかぶれのようなアレルギー性接触皮膚炎になることがあるからです。
 ギンナンにはβ-カロテン、ビタミンCのほか、骨を作るマグネシウム、リン、貧血予防の鉄などが含まれます。
 漢方や民間療法では咳、痰、夜尿症、二日酔いに効果があるとされます。ただし、中毒を引き起こすことがあります。メチルピリドキシンという有毒物質によるもので、めまい、嘔吐(おうと)、けいれんなどの症状が出ます。3歳以下の子どもには食べさせないほうが安全です。おとなでも一度に多く食べ過ぎないようにしましょう。
おいしい食べ方と保存方法
 殻はギンナン割り器で、簡単にとれます。残った薄皮は軽くゆでる、油を薄く敷いて炒める、揚げるなどしても簡単にむけます。ギンナン割り器がないときは、殻つきのまま中火で炒り、殻がパリパリになったら、ハサミなどで割ります。
 茶わん蒸し、炊き込みご飯、串焼き、串揚げ、中華の炒めもの、鍋料理などに用います。ヒジキ煮やカレーにも合います。バターで炒めてコショウをかけても。
 長期保存する場合は、塩ゆでしてから冷凍します。「食べもの通信」10月号より転載