2017年10月13日金曜日

                    10月の旬  
            シイタケ
                   薬剤師 橋本紀代子
 コナラ、クヌギ、シイなどの枯れ木に生える木材腐朽菌の一種です。独特の香りと味があります。
  中国、朝鮮、フィリピン、日本などに分布しています。日本での栽培は、江戸時代中期からといわれています。干しシイタケは原木栽培されたものが多く、大分県が圧倒的な生産量を誇ります。生シイタケは菌床栽培が主流で、生産量が多いのは徳島県、北海道などです。
 シイタケには日光(紫外線)に当たるとビタミンD2に変化し、骨の形成を助けるエルゴステロールが豊富に含まれているため、骨粗しょう症などの予防に役立ちます。
 エリタデニンやフィトステリンは、血液中のコレステロールを掃除し、動脈硬化、糖尿病、老化防止に効果があります。
  日本の民間療法では、きのこ類は不老長寿やがんの薬とされ、免疫力を高め、抗がん作用をもつといわれる成分の研究もおこなわれています。
おいしい食べ方
 新鮮なシイタケは、網焼きにしてそのまま、あるいは少量のしょうゆやレモン汁などでいただきます。バターで炒めてポン酢で食べたり、肉詰め、鍋料理、天ぷら、炒めものにしても。和食の総菜や中華料理、西洋料理にもよく合います。
 干しシイタケは水に浸け、冷蔵庫で1晩置いて戻しますが、空気を抜くことができる容器に水と一緒に入れると、5分で戻ります。
 戻し汁にはうま味のもとや薬効成分が多く、「シイタケ水」として飲む健康法もあります。お吸い物や煮物のだしにして使い切りましょう。

【「食べもの通信」10月号より転載】