2017年7月29日土曜日

8月の旬 モロヘイヤ
         薬剤師 橋本紀代子
 若い葉を食用にします。くせが少なく、刻む、加熱するなどすると粘りが出ます。旬は6~10月。栄養価に富み、夏バテ防止の効果があります。
 原産地はアフリカ北部からインド西部。5000年も前から栽培されているエジプトでは、各家庭にモロヘイヤ専用の大きな包丁があり、モロヘイヤスープがソウルフードです。
 日本での栽培は、1980年代から。主な産地は群馬県と愛知県ですが、現在は各地で栽培されています。
 粘りのもとはムチン。胃腸、目、鼻などの粘膜を保護するほか、コレステロールの吸収を抑える働きがあります。
 豊富に含まれるβ-カロテンは、体内でビタミンAに変化します。ビタミンB群、CE、カルシウムのほか、利尿作用のあるカリウムも多く、貧血を予防する鉄分や、抗酸化作用があるフラボノイドの一種「ケルセチン」も含まれています。
おいしい食べ方と保存法
 鮮度が命なので、早めにいただきます。下ゆでは軟らかい葉を茎からむしり取り、1%の塩を入れた熱湯で軽くゆでて、冷水にとります。刻んで納豆とあえて、豆腐にのせると美味です。
 モロヘイヤ丼は下ゆでしたモロヘイヤを細かく刻み、キュウリ、シラス干し、ゴマ、削り節、ポン酢とかき混ぜ、ご飯にのせます。パスタのソースや麺つゆに混ぜてもおいしいです。スープには、生のモロヘイヤを刻んで入れて、煮込みます。
 保存はさっとゆでて冷凍に。葉以外の部分には毒性があるので、子どもが誤って食べたり、葉の収穫中に花や果実が混じらないように気をつけましょう。
【「食べもの通信」7月号より転載】


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