2019年12月17日火曜日


                 1月の旬
               土佐ブンタン
               薬剤師 橋本紀代子 
 ブンタンの和名は「ザボン」です。多くの品種があり、土佐ブンタンはその品種の一つ。高知県の特産品です。大きさも形もグレープフルーツに似ています。爽やかな香り、適度な酸味と甘味、果汁は少なめで、果肉がしっかりしているので食べやすいのが特徴です。
 台湾、中国南部などから江戸時代に導入されたようですが、詳しい来歴は不明です。
土佐ブンタンは、たった一本の原木からとった苗木をもとに、1943年に高知県の農家で栽培が始まりました。収穫は121月。熟成させて甘味が増した24月ごろに出荷されます。
ビタミンCと「シネフリン」という有効成分には、風邪予防の効果があります。酸味のもとはクエン酸で、疲労回復の働きがあります。
ワタ(アルベド)の苦味はフラボノイドの「ナリンギン」で、血流改善、抗酸化作用、免疫力上昇などの効能があります。
「グレープフルーツジュースの飲用は避けることが望ましい」などの指示がある薬を服用している人は、ブンタンにも当てはまるので注意が必要です。

おいしい食べ方と保存方法
上下を切り落とし、縦に切れ目を入れてむき、薄皮を除いて食べます。果肉をサラダやちらし寿司にトッピングしたり、あえものに混ぜたりします。ジュースにしてもおいしくいただけます。
わたの付いた厚い皮は苦味が強いので、薄く刻んでから3回ほどゆでこぼし、ひと晩水に浸けたあと水気を切り、皮の重さと同量の砂糖で煮つめ、レモン汁を加え、マーマレードにします。砂糖で煮たあとグラニュー糖をまぶすと砂糖漬けに、チョコをまぶすとピールチョコになります。
保存は冷暗所に。冷蔵庫に入れる場合は、しっかりとラップに包みます。
【「食べもの通信」1月号より転載】


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