2022年12月13日火曜日

12月1月の旬

        12月の旬 

       サントウサイ           薬剤師 橋本紀代子

ハ ハクサイの一品種です。葉はハクサイよりも大きく、緑色が濃く、上部がラッパ状に広がります。地域によっては「山東菜(さんとうな)」とよばれます。

 漬物用に好まれますが12月中旬から2週間程度しか出回らないので、お店で見つけたらラッキーです。

 若どりしたものは、明るい緑色の葉と白い軸の菜っ葉で、「べかな」とよばれます。埼玉県のほうから江戸川などを、「べか舟」という小舟で運搬されたことにちなむ名前です。関西では「ハクサイナ」とも。

 150年ほど前に中国・山東省から伝わり栽培も盛んでしたが、現在は埼玉県南部と東京の多摩地域で種が引き継がれています。

 緑の部分には体内でビタミンAに変わるβ-カロテンが豊富です。ビタミンC、ビタミンK、葉酸、骨や歯の形成に役立つカルシウムも含まれています。

 漢方では胃腸の働きを良くする、咳、むくみなどに効果があるとされています。 

おいしい食べ方と保存方法 

 食べ方はアクがほとんどないので、生のままサラダに。

 サントウサイの浅漬けは、食べやすい長さに切り、2%の塩でもんで、1時間ほど置くだけです。お浸し、炒めもの、みそ汁にも。煮崩れしやすいので、鍋ものにするときは煮込みすぎないようにしましょう。

 サントウサイの漬物は、株を縦に48等分に切り、天日に半日干します。水洗いして水気を切り、重さの3%の塩、トウガラシ、コンブ、薄切りしたユズなどを葉の間に挟みながら漬物容器に並べ、重さの2倍の重石をします。3日ほどで水が上がり、食べられます。残りは重石を軽くして数日間。二度漬けすれば1カ月ほどもちます。

 保存は新聞紙に包み、冷暗所に。べかなは新聞紙に包みポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てますが、早めに食べましょう。

【「食べもの通信」12号より転載】

 

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